チャットで
相談する

口コミを
投稿する
大橋 高志 先生

多発性硬化症の名医
鎌ケ谷総合病院
脳神経内科部長、神経難病センター副センター長
専門
免疫性神経疾患、おもに多発性硬化症、視神経脊髄炎およびMOG抗体関連疾患
掲載開始日:2016年04月12日
最終更新日:2023年06月12日

臨床実績


年間多発性硬化症患者数
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


初診までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
*** 時間程度

※医療機関の関係者の方へ

クリンタルでは「患者様へのメッセージ」なども追加することができますので、ぜひこちらのフォームよりご入力をお願い致します。(修正や掲載は全て無料です)

※掲載情報は独自の調査・分析により収集しており、最新かつ正確な情報になるように心がけておりますが、内容を保証するものではありません。
※実際に受診を検討される場合には、直接医療機関にもお電話で問い合わせいただくことを推奨いたします。

大橋 高志先生のインタビュー

公開日:2017年03月06日
多発性硬化症の正しい知識を患者さんや医師に広める

大橋先生が神経内科の道に進まれた理由を教えてください

私が北海道大学に在籍していた当時はまだ大学に神経内科の講座がなく、講義も他の領域の先生から受けていました。そのためもあって、神経内科の勉強はとてつもなく難解に感じました。消化器や循環器領域についてはある程度は理解することができたつもりでいましたが、神経内科の領域は病態についても解明されていないことも多く、謎に満ちていました。そのため、知的好奇心をくすぐられ 、いつのまにか神経内科を目指していました。様々な神経徴候の組み合わせから病変部位を特定し、診断に結びつける神経内科の診療は、まるで推理小説のようであり、興味が尽きることはありません。

その後のご経歴を簡単に教えていただけますか?

東京女子医科大学病院の神経内科に入局後、神経内科領域の中でも特に謎に満ちた「神経免疫学」に興味を持ち、初期研修を終えた後に「神経免疫班」で多発性硬化症の研究を始めました。その間、さらなる経験を積むために海外留学をしたいとずっと思っていたのですが、2年ほど経ったときに、そのチャンスが訪れました。国立精神・神経センターへ国内留学して、田平部長、山村室長のもとで多発性硬化症の研鑽を積み、米国ハーバード大学へ留学する機会を得ることができたのです。こうして、日本および世界の最高峰の研究室で6年以上に渡って多発性硬化症の研究に従事することができました。

日本へ帰国してすぐにMSキャビンという多発性硬化症の啓発運動を行なっているNPO(http://www.mscabin.org/) の存在を知り、「自分なら必ず役に立てるから」と協力を申し出ました。そのときから17年に渡ってMSキャビンのお手伝いをしています。その間、日本全国を飛び回って数え切れないくらい患者さん向けの講演会を行ってきました。現在は、大学病院で救急医療を行いながら、MSキャビンの理事として活動を続けています。

3年間のハーバード大学のHoward L. Weiner教授、David A. Halfer教授の元で研究をされていた時期はいかがでしたか

医局に入ってから、ずっと「いつかはアメリカに留学したい」と思っていたので、本当に楽しく充実した日々を過ごすことができました。ボストンは比較的治安もよく過ごしやすい環境ですし、向こうで長女が生まれたので、「イクメン」として子育ても楽しむことができました。ハーバード大学で世界各国の留学生に囲まれて研究できたことで、英語力も飛躍的に伸び、何事にも代えがたい経験を積めたと感じています。留学中はなかなかよい成果を挙げることができませんでしたが、その理由が、その研究室で長年行ってきた研究の基礎となる実験の手法が本質的に誤っていたためであることを発見しました。結果的に私の研究結果が研究室の存続を揺るがすような事態になってしまいましたが、ただ教えを請うだけでなく、自分も研究室に大きな足跡を残すことができたと思っています。

ハーバード大学というと、あらゆる面で日本よりも進んでいるようなイメージを持つことが多いと思いますが、私が国内留学していた国立精神・神経センターのほうが進んでいる部分も多く、日本の研究レベルが世界有数の研究室に肩を並べるようになっているのを肌で感じることができました。そういう意味では、国立精神・神経センターとハーバード大学で過ごした6年間は本当に有意義だったと思います。

MSキャビンでは副理事長としてご活躍されていますが、多発性硬化症の現状や治療についてどのような思いをお持ちでしょうか?

多発性硬化症は非常に難しい疾患で、正しい知識の啓発がもっと必要だと感じています。まだまだ患者さんやご家族のみならず、神経内科医でさえも正しい知識を持てていないのが現状です。

神経内科医は数が少なく担当する領域も幅広いため、全ての疾患について理解を深めるのは困難です。多発性硬化症は患者数が少なく、神経内科医であっても遭遇する機会が少ないため、多発性硬化症を専門とする医師でないと、診断や治療に必要な知識が不足しがちなんです。これは、多発性硬化症の研究の進歩が目覚ましく、診断や治療法がどんどん変化していることも影響しています。地方によっては、患者さんの近くに多発性硬化症を専門とする医師がいないことも少なくありません。そのため 、日々の外来で患者さんに向き合うだけではなく、他の医師や患者さんに多発性硬化症に関する『正しい知識』を広めていくことがたいへん重要だと思っています。

MSキャビンでは、患者さん向けの情報誌を発行し、定期的に勉強会を開催しています。情報誌には患者さん向けだけでなく、医師向けの情報も掲載するようにして、双方向から知識の底上げを図っています。私自身は月に1回20人程度の患者さん・ご家族を集めて、東京で勉強会を行っています。今後もこういった啓発活動を継続して、医師・患者双方が正しい知識を持って治療へ取り組めるように尽力していきたいですね。

どんな患者さんが受診するようになってほしいですか?

神経内科の疾患は非常に診断が難しいので、本当は神経内科を受診すべき患者さんでも、神経内科にたどり着けていない場合が多くあります。「手足がしびれる」「力が入らない」「眼が見えにくい」などの症状が現れた時に、多くの方はまず整形外科、脳外科、眼科などを受診します。このときに各科の医師が神経疾患の可能性を疑うことができればよいのですが、そうならないことも多いんです。神経疾患の患者が整形外科や脳外科で手術されてしまうこともよくあります。ですから、もし他の診療科で検査した結果、原因がはっきりしなかったときには、一度神経内科のことを思い出して、受診してみてほしいですね。最近では、MRIが普及したため、多発性硬化症を疑って神経内科に紹介してくれる医師も多くなりましたが、他科の医師へもしっかりと啓発をしていく必要を感じています。

お休みの日は何をされて過ごされていますか?

学生時代はクロスカントリースキーをやっていて、もともと長距離が得意なタイプなので、走っていることが多いです。最近まで、年一回はフルマラソンを走っていました。あまり長い距離は走れなくなりましたが、それでも週末には10 km程度のジョギングはしています。おかげで身体の不調はほとんどなく、風邪なども引かずに健康を維持できていると思います。

患者さんへのメッセージをお願いします

多発性硬化症は、神経内科医であってもなかなか診断が難しい病気です。そのため、誤った診断の元、誤った治療が行われていることも決して少なくありません。MSキャビンでは、多発性硬化症の専門医が監修した正しい情報を発信しています。ぜひ一度、ホームページをご覧になって下さい。そして、自分の病気について、正しい診断がなされているのか、治療は正しいのか、ということに少しでも不安を感じたら、ぜひ一度、多発性硬化症の専門医のセカンドオピニオンを受けてみてください。MSキャビンの主催する勉強会に参加して戴くこともお勧めします。

まだ口コミがありません。匿名での投稿が可能ですので、ご協力よろしくお願いします。 ※ 現在口コミは、clintal会員様からのみ承っております。
個人(法人コードをお手持ちでない方)の新規clintal会員登録は終了いたしました。

勤務先医療機関

住所:千葉県鎌ケ谷市初富929-6
電話番号:047-498-8111